クリスタの無料版(DEBUT版)と有料版(PRO,EX版)の違いについてまとめてみました。
クリスタは3種類ある
イラスト制作ソフトの使用率がPhotoshopを超え、2022年で10周年を迎えたイラスト制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT」(通称クリスタ)。近年ではLive2Dと合わせて使っている人も多い。
そんなクリスタには無料版のDEBUT版と、有料版のPRO版・EX版がある。これからクリスタでイラスト制作をしてみようかなと思う人にとって、どれを買えばいいのか迷う人も多いと思う。
結論を言うとこんな感じ。
- とりあえずお試しでという人はDEBUT版
- 本格的にイラスト制作したい人はPRO版
- 漫画も描くよという人はEX版
DEBUT版とPRO・EX版の大きな違いは機能の差。PRO・EX版にある機能がDEBUT版ではない、あるいは一部制限されている。
以下ではDEBUT版にはない機能について説明していく。全部上げるとキリが無いので影響の大きそうなものから一部抜粋。
色調補正・グラデーション・ベクターレイヤー
描いた絵の色や輝度を調整する色調補正レイヤー、グラデーション機能、きれいな線画を描きたいという場合に使われるベクターレイヤーがDEBUT版にはない。
足りない画力はツールで補う、という場合にはないと効いてくるかもしれない。
ペンやブラシなどの詳細設定
サブツール詳細パレットに当たる。筆圧とかインク量とか入り抜きを調整できる機能。
ペンやブラシを自分向けにカスタマイズして保存する、と言ったことがDEBUT版ではできない。クリスタで線が上手く引けない、という場合はここを見直すと改善されることが多いので人によってはできないのは痛いかも。
使用した色の履歴保存
カラーヒストリーパレットに当たる。カラーパレットの中にあるのだがDEBUT版ではない。
これに関連して中間色や近似色を提示してくれるパレットもない。人によってはないと地味に困るかも。
制作工程の履歴保存
ヒストリーパレットに当たる。表示されている履歴を選ぶことでそこまで一気にさかのぼれる機能。
DEBUT版だと戻る(Ctrl+Z)もしくはやり直し(Ctrl+Y)で1つずつ移動するしかない。
レイヤープロパティパレット
境界効果(縁取り)やレイヤーカラー、トーン化など選択中のレイヤーにかけることができる効果。
写真を読み込んで漫画の背景に使う、という場合はトーン化が便利なのだがDEBUT版ではないので自分で頑張って描くしかない。
ルーラー・グリッド・トンボの表示
ガイドラインの表示関連。漫画やドット絵を描く時に便利な機能だがDEBUT版ではない。これも人によってはないと困る機能。
定規ツール
左右対称などの絵が簡単に描ける「対称定規」や背景を描く時に便利な「パース定規」といった定規ツールがDEBUT版にはない。
集中線、フキダシ、テキストのルビ振りなどの漫画機能
集中線、フキダシの編集、テキストの行間・字間、フォントの追加、ルビ振りなど漫画を描く時に必要な機能がDEBUT版ではない。
ちなみにこれらの漫画向けツールはPRO版でもないものがあり、漫画を描くのが目的ならEX版の購入が必須。
他のセルシス製品との互換性
クリスタを販売しているセルシス社の他製品との互換性はDEBUT版にはない。
IllustStudioやComicStudioから来たという人はそこで作成した専用ファイルを持ってくることができないので注意。
本格的にイラスト・漫画を描くなら有料版
いくつか無料版と有料版の機能の差を挙げてみたが、やはり本格的にイラストを描くならPRO版、漫画まで描くならEX版を購入することをおすすめしたい。
現在クリスタの使い方を載せた本や画力向上系の本および動画が多くあるが、PRO・EX版を使っているのを前提しているものが多いのでもしそれらの参考書を使うのであればやはりPRO・EX版にしておきたいところ。
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